宮沢 賢治 作
読み手:竹田 のり子(2009年)
くだものの畑の丘のいただきに、ひまはりぐらゐせいの高い、黄色なダァリヤの花が二本と、まだたけ高く、赤い大きな花をつけた一本のダァリヤの花がありました。
この赤いダァリヤは花の女王にならうと思ってゐました。
風が南からあばれて来て、木にも花にも大きな雨のつぶを叩きつけ、丘の小さな栗の木からさへ、青いいがや小枝をむしってけたたましく笑って行く中で、この立派な三本のダァリヤの花は、しづかにからだをゆすりながら、かへっていつもよりかゞやいて見えて居りました・・・
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