北大路 魯山人 作
読み手:菅野 秀之(2011年)
近頃は以前のように、やれ播州の米がうまいとか、越後米にかぎるとかいうような話はあまり聞かない。ただ米でありさえすればあり難がるご時世ではあるが、しかし以前でも、米の味に詳しいというひとは少なかった。
うまい米といえば、その昔、朝鮮で李王さまにあげるために作っていた米がある。これはすこぶるうまかった。収穫は非常に少ないが、米粒の形もよく、見た ところもきれいな米であった。ただし、あまりうますぎて、副食物がご馳走の目的の場合には使えない・・・
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