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宮城 道雄

声と食物

読み手:福井 一恵(2011年)

声と食物

著者:宮城 道雄 読み手:福井 一恵 時間:6分42秒

 私の経験から歌についていうと、言葉と節とが調和する時と、しない時とがある。従って、外国の歌を日本語に訳した際に、訳され方によって、音と言葉とが あっていないような気がする。殊にオペラなどにおいて、そうした点に無理なところがあるのを感じるのである。そこへ行くと、長年聞き馴れた邦楽は言葉と節 とがよくそぐうているような気がする。その最もよい例は義太夫であるが、ただ、現代の言葉と違うために、今の若い人にはその言葉や音の味わいが直ぐわかる かどうか――恐らくわからないことが多いと思う・・・

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