戻る

戻る

小川 未明

月夜とめがね

読み手:緒方 朋恵(2012年)

月夜とめがね

著者:小川 未明 読み手:緒方 朋恵 時間:13分43秒

 町も、野も、いたるところ、緑の葉につつまれているころでありました。
 おだやかな、月のいい晩のことであります。しずかな町のはずれにおばあさんは住んでいましたが、おばあさんは、ただひとり、窓の下にすわって、針しごとをしていました。
 ランプの火が、あたりを平和に照らしていました。おばあさんは、もういい年でありましたから、目がかすんで、針のめどによく糸が通らないので、ランプの 火に、いくたびも、すかしてながめたり、また、しわのよった指さきで、ほそい糸をよったりしていました・・・

Copyright© 一般社団法人 青空朗読. All Rights Reserved.