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宮沢 賢治

ざしき童子のはなし

読み手:畠山 有香(2012年)

ざしき童子のはなし

著者:宮沢 賢治 読み手:畠山 有香 時間:7分32秒

 ぼくらの方の、ざしき童子のはなしです。

 あかるいひるま、みんなが山へはたらきに出て、こどもがふたり、庭であそんでおりました。大きな家にたれもおりませんでしたから、そこらはしんとしています。
 ところが家の、どこかのざしきで、ざわっざわっと箒の音がしたのです。
 ふたりのこどもは、おたがい肩にしっかりと手を組みあって、こっそり行ってみましたが、どのざしきにもたれもいず、刀の箱もひっそりとして、かきねの檜が、いよいよ青く見えるきり、たれもどこにもいませんでした。
 ざわっざわっと箒の音がきこえます・・・

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