新美 南吉 作
読み手:緒方 朋恵(2013年)
張が かはいゝ 驢馬を 一匹 買ひました。ところが 歩かせて 見ると その 驢馬は びつこを ひくのです。
「なぜ びつこを ひくのだらう。」と 考へて 見ましたが わかりません。ちようど とほりかゝつた 物しりを よびとめて たづねて 見ると、物しりは、驢馬の 體を よく しらべてから いひました。
「耳と 耳の 間に 錢ほどの 禿が ある、この 禿に 風が あたつて 寒いから びつこを ひくのぢや。帽子を つくつて かむせたが、よからう。」・・・
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