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沖野 岩三郎

ばべるの塔

読み手:小川 幸香(2013年)

ばべるの塔

著者:沖野 岩三郎 読み手:小川 幸香 時間:6分54秒

 まだ、電話も電信も、なんにもない、五六千年も、まへのおはなしです。
 ひろいひろい、のはらを、みつけた男がありました。あまり、けしきがよいので、そのまんなかに、一けんの家を、たてました。すると、いつのまにか、われ もわれもと、そこへ、何十万の人が、あつまつて来て、五六年めには、たいへん大きな、町になつて、しまひました。
 ところが、ここへ、あつまつてきた、人たちは、男も女も、みんな、正直ものばかりで、まいにち、よくはたらいて、
「おい、正直にしろよ。かげで、なまけちや、いけねえぞ。おてんたうさまが、見てゐらつしやるから。」と、いつてゐました・・・

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