宮沢 賢治 作
読み手:齋藤 こまり(2024年)
風景観察官
あの林は
あんまり緑青を盛り過ぎたのだ
それでも自然ならしかたないが
また多少プウルキインの現象にもよるやうだが
も少しそらから橙黄線を送つてもらふやうにしたら
どうだらう
ああ何といふいい精神だ
株式取引所や議事堂でばかり
フロツクコートは着られるものでない
むしろこんな黄水晶の夕方に
まつ青な稲の槍の間で
ホルスタインの群を指導するとき
よく適合し効果もある・・・
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