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小川 未明 作

赤いガラスの宮殿

読み手:ひよっ子Ⅰ(2025年)

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赤いガラスの宮殿

著者:小川 未明 読み手:ひよっ子Ⅰ 時間:20分54秒

 独りものの平三は、正直な人間でありましたが、働きがなく、それに、いたって無欲でありましたから、世間の人々からは、あほうものに見られていました。
「あれは、あほうだ。」と、いわれると、それをうち消すもののないかぎり、いつしか、そのものは、まったくあほうものにされてしまうばかりでなく、当人も、自分で自分をあほうと思いこんでしまうようになるものです。平三も、その一人でありました。
 夏のはじめのころであります。
 往来を歩いていると、日ごろ、顔を知っている、村に住む若夫婦が旅じたくをしてきかかるのに出あいました。男は、なにか大きな荷を背負っています・・・

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