小川 未明 作
読み手:緒方 朋恵(2014年)
川の中に、魚がすんでいました。
春になると、いろいろの花が川のほとりに咲きました。木が、枝を川の上に拡げていましたから、こずえに咲いた、真紅な花や、またうす紅の花は、その美しい姿を水の面に映したのであります。
なんのたのしみもない、この川の魚たちは、どんなに上を向いて、水の面に映った花をながめてうれしがったでありましょう。
「なんというきれいな花でしょう。水の上の世界にはあんなに美しいものがたくさんあるのだ。こんどの世には、どうかして私たちは水の上の世界に生まれ変わってきたいものです。」と、魚たちは話し合っていました・・・
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