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山本 和久三 作

われ等の開港記念会館

読み手:大西 瑞香(2025年)

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われ等の開港記念会館

著者:山本 和久三 読み手:大西 瑞香 時間:2分58秒

 銀座会館はカフエーだつた、湯河原会館は宿屋だつた、さう云ふ時代が来ても、われ等の記念会館は永遠に記念会館である。本町一丁目と云へば横浜の玄関だ。その玄関に建つてゐる開港記念会館の煉瓦造は今でこそ何か知ら田舎くさい色彩を吾等の眼へ投げかけるが、明治四十二年の開港五十年記念に、堂々と竣工した時、市民の総ては自分の家が出来たやうに喜んだものだ。
 子供心に覚えてゐるのは、記念会館の前身の時計台だ。町会所と云ふのが本名だが、僕等は時計台と称してゐた。石造の二階建で、屋上の高塔に大時計が据つけてあつたからだ・・・

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