織田 作之助 作
読み手:宮松 大輔(2025年)
殺された娘、美人、すくなくとも新聞の上では。それが宮枝には心外だ。宮枝はその娘を知っている。醜い娘、おかめという綽名だ。
あたしの方がきれいだ。あたしの方が口が小さい。おかめなんていわれたことはない。宮枝の綽名はお化け。あんまり酷だから、聴える所では誰も言わなかった。お化け、誰のことかしら。声だけは宮枝も女だった。
誰でも死ぬ。クレオパトラ。白骨にも鼻の高低はあるのか・・・
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