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楠山 正雄 作

八幡太郎

読み手:入江 安希子(2025年)

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八幡太郎

著者:楠山 正雄 読み手:入江 安希子 時間:16分59秒

   一

 日本のむかしの武士で一番強かったのは源氏の武士でございます。その源氏の先祖で、一番えらい大将といえば八幡太郎でございます。むかし源氏の武士は戦に出る時、氏神さまの八幡大神のお名を唱えるといっしょに、きっと先祖の八幡太郎を思い出して、いつも自分の向かって行く先々には、八幡太郎の霊が守っていてくれると思って、戦に励んだものでした。
 八幡太郎は源頼義という大将の長男で、おとうさんの頼義が、ある晩八幡大神からりっぱな宝剣を頂いたという夢を見ると、間もなく八幡太郎が生まれました。七つの年に石清水八幡のお宮で元服して、八幡太郎義家と名のりました。
 義家は子供の時から弓がうまくって、もう十二、三という年にはたいていの武士の引けないような上手な弓を引いて、・・・

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