夢野 久作 作
読み手:環 はじめ(2026年)
太郎さんはお父さまから銀色にピカピカ光る空気銃を一梃頂きました。大喜びで毎日毎日雀を撃って歩きましたが、一匹も中りません。そのうちに弾丸が一発も無くなりました。
お父様に弾丸を買って下さいとお願いしましたが、
「まだ店がお休みだから」
と云って買って下さいません。雀は表でチュンチュン鳴いて、何だか太郎さんを馬鹿にしているようです。太郎さんは弾丸のない空気銃を抱いて涙ぐみました。
そのうちに不図お祖父様の手箱の中に赤い丸薬があった事を思い出しました。ちょうどお祖父様は御年始に行かれた留守でしたから、・・・
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