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上村 松園 作

昔尊く
二千六百年を迎えて

読み手:坂井 あきこ(2026年)

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昔尊く 二千六百年を迎えて

著者:上村 松園 読み手:坂井 あきこ 時間:11分22秒

 もう丁度、五十年の昔になりましょうかしら、たしか、私の十九歳の頃のことでした。明治二十五、六年の、忘れもしない四月二十一日の夜明方、隣の雑貨屋さんから火が出まして、私どもの家もおかげで半焼のうき目にあったのでした。その頃私たちは四条通りの非常に賑やかな通りにいまして、お茶々の商売を致してましたのです。
 何でもランプを落としたのが火の始まりとかで、夜明けといってもまだ夜中のことでした。火事というので起きた時には、はやお隣さんは一面の火の海、もう私の家にも燃えうつってる様です・・・

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