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小川 未明 作

赤い実

読み手:ひよっ子A(2026年)

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赤い実

著者:小川 未明 読み手:ひよっ子A 時間:9分11秒

 だんだん寒くなるので、義雄さんのお母さんは精を出して、お仕事をなさっていました。
「きょうのうちに、綿をいれてしまいたいものだ。」と、ひとりごとをしながら、針を持つ手を動かしていられました。
 秋も深くなって、日脚は短くなりました。かれこれするうちに、はや、晩方となりますので、あちらで、豆腐屋のらっぱの音がきこえると、お母さんの心は、ますますせいたのでありました。
 ちくちくと、縫っていられますうちに、糸が短くなって糸の先が、針孔からぬけてしまったのです。お母さんは、新しい糸の先を指で細くして針の孔にとおそうとなさいました・・・

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