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北大路 魯山人 作

鮎の名所

読み手:冨田 和音(2026年)

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鮎の名所

著者:北大路 魯山人 読み手:冨田 和音 時間:6分20秒

 あゆをうまく食うには、あゆの成長と鮮度が大いに関係する。京阪や東京でいうと、七月がよい。地方によっては、早い遅いがある。子を持つ前の最大なのがよい。子を持ってからは二番目といってよい。見た目に見事なのを喜ぶ者もあるが、これは素人の話、東京でも盛んにあゆを賞味するので、河岸には日本全国からイヤというほど送られて来るが、東京であゆをうまく食おうとするのは土台無理な話で、かれこれいうのがおかしい。あゆの味は渓流激瀬で育った逸物を、なるべく早目に食うのでなければ問題にならない。岐阜のあゆも有名ながら、わたしの口にはあゆ中の最高とはいえず、況や東京ではなおさらだめと知らなければならない。
 京都保津川のもよいが、これは土地で生きていてこそいちばんである・・・

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