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高村 光太郎

読み手:小川 幸香(2015年)

著者:高村 光太郎 読み手:小川 幸香 時間:3分44秒

 顔は誰でもごまかせない。顔ほど正直な看板はない。顔をまる出しにして往来を歩いている事であるから、人は一切のごまかしを観念してしまうより外ない。い くら化けたつもりでも化ければ化けるほど、うまく化けたという事が見えるだけである。一切合切投げ出してしまうのが一番だ。それが一番美しい。顔ほど微妙 に其人の内面を語るものはない。性情から、人格から、生活から、精神の高低から、叡智の明暗から、何から何まで顔に書かれる・・・

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