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小川 未明

少年と秋の日

読み手:村上 晴砂(2015年)

少年と秋の日

著者:小川 未明 読み手:村上 晴砂 時間:10分39秒

 もう、ひやひやと、身にしむ秋の風が吹いていました。原っぱの草は、ところどころ色づいて、昼間から虫の鳴き声がきかれたのです。
 正吉くんは、さっきから、なくしたボールをさがしているのでした。
「不思議だな、ここらへころがってきたんだけど。」
 どうしたのか、そのボールは見つかりませんでした。お隣の勇ちゃんは、用事ができて帰ってしまったけれど、彼だけは、まだ、思いきれなかったのでした。 ボールがほしいというよりは、どこへいったものか、消えてなくならないかぎり、このあたりに落ちているものと思ったからです・・・

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