小川 未明 作
読み手:八谷 耕陽(2016年)
太吉じいさんは、百姓が、かさをかぶって、手に弓を持って立っている、かがしをつくる名人でした。それを見ると、からすやすずめなどが、そばへ寄りつきませんでした。
それも、そのはずで、おじいさんは若い時分から弓を射ることが上手で、どんな小さな鳥でも、ねらえば、かならず射落としたものです。よく、晩方の空を飛 んでいくかりを射落としたり、はたけで遊んでいるすずめを射とめたりしました。だからおじいさんを見ると、小鳥たちは鳴くのをやめて、どこへか姿をかくし てしまいました・・・
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