稗田の阿禮、太の安萬侶 作 武田 祐吉 訳 古事記 現代語譯
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――人名に對する信仰が語られ、また古代の婚姻の風習から生じ易い疑惑の解決法が語られる。――
さてヒコホノニニギの命は、カササの御埼で美しい孃子にお遇いになつて、「どなたの女子ですか」とお尋ねになりました。そこで「わたくしはオホヤマツミの神の女の木の花の咲くや姫です」と申しました。また「兄弟がありますか」とお尋ねになつたところ、「姉に石長姫があります」と申し上げました・・・