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北大路 魯山人

美味い豆腐の話

読み手:吉江 美也子(2016年)

美味い豆腐の話

著者:北大路 魯山人 読み手:吉江 美也子 時間:7分32秒

 美味い湯豆腐を食べようとするには、なんといっても豆腐のいいのを選ぶことが一番大切である。いかに薬味、醤油を吟味してかかっても、豆腐が不味ければ問題にならない。
 そんなら、美味い豆腐はどこで求めたらいいか? ズバリ、京都である。
 京都は古来水明で名高いところだけに、良水が豊富なため、いい豆腐ができる。また、京都人は精進料理など、金のかからぬ美食を求めることにおいて第一流である。そういうせいで、京都の豆腐は美味い。
 一方、東京では、昔、笹乃雪などという名物の豆腐があった。これもよい井戸水のために、いい豆腐ができたのだが、今は場所も変わって、わずかに盛時の面影を偲ぶばかりだ・・・

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