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新美 南吉

久助君の話

読み手:入江 安希子(2017年)

久助君の話

著者:新美 南吉 読み手:入江 安希子 時間:16分27秒

 久助君は、四年から五年になるとき、学術優等品行方正のほうびをもらってきた。
 はじめて久助君がほうびをもらったので、電気会社の集金人であるおとうさんは、ひじょうにいきごんで、それからは、久助君が学校から帰ったらすぐ、一時間勉強することに規則をきめてしまった。
 久助君は、この規則を喜ばなかった。一時間たって、家の外に出てみても、近所に友だちが遊んでいないことが多いので、そのたびに、友だちをさがして歩かねばならなかったからである。
 秋のからりと晴れた午後のこと、久助君は柱時計が三時半をしめすと、「ああできた」と、算術の教科書をパタッととじ、つくえの前を立ちあがった・・・

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