河井 酔茗 作
読み手:加納 恵美子(2017年)
吾老いぬれど
仙家に入らず
茶烟軽く
紅塵の裡に住む
柴門を守るは
吾家の月
竹窓に吹くは
隣家の風
人来れば
迎へて会ふ
人去れば
吾座にもどる
眠り足りて
夢なく
起きて
倦むことなし
昼には
昼に書くことあり
夜には
夜に語ることあり
世にあづけたる
わが寿は
時来らば
世に返さむ・・・
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