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岡本 かの子

女性の不平とよろこび

読み手:宮崎 文子(2017年)

女性の不平とよろこび

著者:岡本 かの子 読み手:宮崎 文子 時間:6分19秒

 女が、男より行儀をよくしなければならないということ。
 人前で足を出してはいけない、欠伸をしてはいけない、思うことを云ってはいけない。
 そんな不公平なことはありません。女だって男と同じように疲れもする、欠伸もしたい、云い度いと思うことは沢山ある。疲れやすいこと欠伸をしたいことなどは、むしろ男より女の方がよけいかもしれない。それだのに、なぜ、昔から男は、食後でも人前でも勝手に足を出し欠伸をし、云い度いことも云えるのに、女にそれが許されないのだろう。
 外側をためてばかりいると、内側の生命が萎縮してしまう。
 男が伸々と拘束なしに内側の生命を伸す間に、女は有史以来圧えためられてそれを萎縮されてしまった・・・

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