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アルフォンス・ドーデー 、鈴木 三重吉

村の学校(実話)

読み手:後藤 司(2018年)

村の学校(実話)

著者:アルフォンス・ドーデー/鈴木 三重吉 訳 読み手:後藤 司 時間:18分11秒

 今からちようど六十年前に、フランスはドイツとの戦争にまけて、二十億円のばい償金を負はされ、アルザス・ローレイヌ州を奪はれました。その土地はこの前の世界戦争で、やつと又とりかへしました。このお話は、アルザス・ローレイヌがドイツ領になつて、村々の小学校も先生がみんなドイツ人にかはつてしまつたときのお話です。

   一

 私たちの小さな学校は、ハメル先生がどかれてから、がらりとかはつてしまひました。ハメル先生のときには、朝学校へつくと、授業までには、かならず五六分間ゆとりをおいてもらつたものです。みんなはその間、ストーヴのまはりに輪になつて、指をあたゝめたり、着物についてゐる雪やみぞれをおとしたり、お弁当の中身を見せ合つたりしながら、しづかに雑談をしました・・・

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