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正岡 子規

徒歩旅行を読む

読み手:宮崎 文子(2018年)

徒歩旅行を読む

著者:正岡 子規 読み手:宮崎 文子 時間:8分25秒

 紀行文をどう書いたら善いかという事は紀行の目的によって違う。しかし大概な紀行は純粋の美文的に書くものでなくてもやはり出来るだけ面白く書こうとする即美文的に書こうとする、故に先ず面白く書くという事はその紀行全部の目的でなくても少くも目的の五分は必ずこれであると極めて置いて、さてその外の五分は人によって種々雑多に書かれて居る事である。一、二の例をいうて見ると、山水の景勝を書くのを目的としたものや、地理地形を書くことを目的としたものや、風俗習慣を書くことを目的としたものや、あるいはその地の政治経済教育の有様より物産に至るまで細かに記する事を目的としたもの、あるいは個人的に旅行の里程、車馬の賃、宿泊料などの事を一々に記したもの、あるいは記事の方は極めて簡略に書いて、ただ文章を飾る事を務めたもの、などいろいろある・・・

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