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新美 南吉

二ひきの蛙

読み手:室 由美子(2018年)

二ひきの蛙

著者:新美 南吉 読み手:室 由美子 時間:4分43秒

 緑の蛙と黄色の蛙が、はたけのまんなかでばったりゆきあいました。
「やあ、きみは黄色だね。きたない色だ。」
と緑の蛙がいいました。
「きみは緑だね。きみはじぶんを美しいと思っているのかね。」
と黄色の蛙がいいました。
 こんなふうに話しあっていると、よいことは起こりません。二ひきの蛙はとうとうけんかをはじめました。
 緑の蛙は黄色の蛙の上にとびかかっていきました。この蛙はとびかかるのが得意でありました。
 黄色の蛙はあとあしで砂をけとばしましたので、あいてはたびたび目玉から砂をはらわねばなりませんでした・・・

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