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紫式部 、与謝野 晶子

「源氏物語」「若紫」

読み手:麻中 恒子(2018年)

「源氏物語」「若紫」

著者:紫式部/与謝野 晶子 訳 読み手:麻中 恒子 時間:1時間57分7秒

春の野のうらわか草に親しみて            
いとおほどかに恋もなりぬる (晶子)

 源氏は瘧病にかかっていた。いろいろとまじないもし、僧の加持も受けていたが効験がなくて、この病の特徴で発作的にたびたび起こってくるのをある人が、
「北山の某という寺に非常に上手な修験僧がおります、去年の夏この病気がはやりました時など、まじないも効果がなく困っていた人がずいぶん救われました。病気をこじらせますと癒りにくくなりますから、早くためしてごらんになったらいいでしょう」
 こんなことを言って勧めたので、源氏はその山から修験者を自邸へ招こうとした。
「老体になっておりまして、岩窟を一歩出ることもむずかしいのですから」
 僧の返辞はこんなだった・・・

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