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萩原 朔太郎

詩の翻訳について

読み手:宮崎 文子(2018年)

詩の翻訳について

著者:萩原 朔太郎 読み手:宮崎 文子 時間:28分8秒

 宮森麻太郎氏の英訳した俳句は、外国で非常に好評ださうであるが、その訳詩を通じて、外国人が果して何を感銘したものか疑問である。おそらくは歌劇ミカドを見物して、日本人を理解したといふ程度であり、俳句を HAIKAI として解釈した程度であらう。多くの場合に、外国人に好評される日本の者は、真の純粋の日本ではなく、彼等のフジヤマやゲイシヤガールの概念性に、矛盾なく調和して入り得る程度の、テンプラフライ式の似而非日本である。真の本当の日本のものは、彼等に理解されないことから、却つて退屈されるばかりである。宮森氏の翻訳が西洋で受けてる理由も、おそらくそれがハイカイ的俳句である為かも知れないのである・・・

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