楠山 正雄 作
読み手:野村 明子(2018年)
一
むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。
正直な、人のいいおじいさんとおばあさんどうしでしたけれど、子どもがないので、飼犬の白を、ほんとうの子どものようにかわいがっていました。白も、おじいさんとおばあさんに、それはよくなついていました。
すると、おとなりにも、おじいさんとおばあさんがありました。このほうは、いけない、欲ばりのおじいさんとおばあさんでした。ですから、おとなりの白をにくらしがって、きたならしがって、いつもいじのわるいことばかりしていました
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