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上村 松園

絵筆に描き残す亡びゆく美しさ

読み手:宮崎 文子(2019年)

絵筆に描き残す亡びゆく美しさ

著者:上村 松園 読み手:宮崎 文子 時間:3分12秒

 京の舞妓の面影は、他のものの変り方を思えば、さして著しくはありませんが、それでもやはり時代の波は伝統の世界にもひたひたと打ち寄せているようです。髪の結方とか、かんざしとか、服装の模様とかが、以前に比べると大分変って来ています。髪なんか、昔の純京風は後のつとを大きく出して、かたい油つけをつけたものですが、近ごろは、つとも小さくなり油つけもつけないでさばさばした感じのものになってしまいました。
 かんざしも夏には銀製の薄のかんざしをさしたもので、見るからに涼しげな感じのものでした。今も銀の薄のをさしてはいますが、薄の形が変って来て、昔のように葉がつまっておらず、ばらばらになってきています・・・

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