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ハンス・クリスティアン・アンデルセン  矢崎 源九郎

年とったカシワの木のさいごの夢

読み手:成 文佳(2020年)

年とったカシワの木のさいごの夢

著者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン/矢崎 源九郎 訳 読み手:成 文佳 時間:28分29秒

   (クリスマスのお話)

 ひろいひろい海にむかった、きゅうな海岸の上に、森があります。その森の中に、それはそれは年とった、一本のカシワの木が立っていました。年は、ちょうど、三百六十五になります。でも、こんなに長い年月も、この木にとっては、わたしたち人間の、三百六十五日ぐらいにしかあたりません。
 わたしたちは、昼のあいだは起きていて、夜になると眠ります。眠っているときに、夢を見ます。ところが、木は、ちがいます。木は、一年のうち、春と夏と秋のあいだは起きていて、冬になってはじめて、眠るのです・・・

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