閉じる

閉じる

グリム 、矢崎 源九郎

ホレおばあさん

読み手:こがわ めいすい(2020年)

ホレおばあさん

著者:グリム/矢崎 源九郎 訳 読み手:こがわ めいすい 時間:15分52秒

 ある後家さんに、ふたりのむすめがありました。そのうちのひとりははたらきもので、美しい子でしたが、もうひとりはみにくいうえに、たいへんななまけものでした。
 けれども、後家さんはこのみにくいなまけもののほうの子をずっとかわいがっていました。だって、この子はじぶんのほんとうのむすめなんですからね。もうひとりの女の子のほうは、うちじゅうのしごとをなにからなにまでやって、年がら年じゅう、灰だらけになっていなければなりませんでした。
 かわいそうな女の子は、まい日大通りへでて、泉のそばにこしをおろして、指から血がでてくるほど、たくさんの糸をつむがなければなりませんでした。
 さて、あるときのことでした・・・

Copyright© 一般社団法人 青空朗読. All Rights Reserved.