村山 籌子 作
読み手:鈴木 星南(2020年)
ある時、きりぎりすさんが、靴屋さんをはじめることになりました。
「どんな形の靴でもおのぞみしだいにつくります。」といふ看板を見てやつてきたのが、あひるさんです。
きりぎりすさんはあひるさんの足をはかつて、夜もねないで靴を一足こしらへて、あひるさんのところに持つてゆきました。
あひるさんは大変おしやれでしたから、自分の足の恰好のことは棚へあげて、きりぎりすさんのこしらへてきた靴を一目見ていひました。
「まあ、こんな変な恰好の靴は牛さんにでも買つてもらふがいゝ。」きりぎりすさんは大変こまりましたけれども仕方がありません。しほ/\とその靴を持つてかへりました。そして、それをお店へならべておきましたが、あんまり不恰好なものですから、だれも買つてくれません・・・
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