北大路 魯山人 作
読み手:加藤 供子(2021年)
私の独断によると、織部という陶器は、古田織部という茶人の意匠及び発明に始まるものではない。
古田織部より以前に、織部という陶器は産れておったのだ。もっとも、その当時は織部という名称はなかったろうから、なんとか外の名を言っていたのであろう。今日織部と言いならすところの陶器は、利休時代に有名であった古田織部が、やかましく好んだところから、遂に織部という名を成したのであろう。
織部という陶器を説明すると、それは素朴な絵を描いた陶器であって、それに萌黄色の釉が所々に付けられている純日本風のものである・・・
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