村山 籌子 作 お鍋とお皿とカーテン読み手:畠山 有香(2012年) |
これは せんせいが 一年生に してくださつた おはなしです。
あるおうちの お台所に お鍋とお皿とカーテンが くらしてゐました。
ところが おなべも お皿も カーテンも 毎日 おなじおしごとを してゐるのが、いやになつて、お台所から にげだすことに しました。
お鍋と お皿は さきにでぐちの ところへ いきましたが、まつても まつても カーテンが きません。
「はやくこないと 二人で行つてしまふわよ。」お鍋と お皿は いらいらして いひました。
「だつて、わたし、いくら あし で ふんばつても、あたまが てつのぼうに くつついてゐて、はなれないのよ。」とカーテンはなきながら、あたまをてつのぼうから、はづさうとしました・・・