小川 未明 作 今後を童話作家に読み手:手塚 未紗(2024年) |
自由と純真な人間性と、そして空想的正義の世界にあこがれていた自分は、いつしかその芸術の上でも童話の方へ惹かれて行くようになってしまいました。
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私の童話は、ただ子供に面白い感じを与えればいいというのではない。また、一篇の寓話で足れりとするわけではない。もっと広い世界にありとあらゆるものに美を求めたいという心と、また、それらがいかなる調和に置かれた時にのみ正しい存在であるかということを詩としたい願いからでありました。
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この意味において、私の書いて来た童話は、即ち従来の童話や世俗のいう童話とは多少異なった立場にいるといえます。むしろ大人に読んでもらった方がかえって意の存するところが分かると思いますが、あくまで童心の上にたち、・・・