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宮沢 賢治 作
読み手:イトー ゲンヤ(2024年)
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春光呪咀
いつたいそいつはなんのざまだ どういふことかわかつてゐるか 髪がくろくてながく しんとくちをつぐむ ただそれつきりのことだ 春は草穂に呆け うつくしさは消えるぞ (ここは蒼ぐろくてがらんとしたもんだ) 頬がうすあかく瞳の茶いろ ただそれつきりのことだ (おおこのにがさ青さつめたさ)
(一九二二、四、一〇)