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宮沢 賢治

春と修羅 休息

読み手:齋藤 こまり(2024年)

春と修羅 休息

著者:宮沢 賢治 読み手:齋藤 こまり 時間:2分21秒

 休息

そのきらびやかな空間の
上部にはきんぽうげが咲き
 (上等の butter-cup ですが
  牛酪よりは硫黄と蜜とです)
下にはつめくさや芹がある
ぶりき細工のとんぼが飛び
雨はぱちぱち鳴つてゐる
 (よしきりはなく なく
  それにぐみの木だつてあるのだ)
からだを草に投げだせば
雲には白いとこも黒いとこもあつて
みんなぎらぎら湧いてゐる
帽子をとつて投げつければ黒いきのこしやつぽ
ふんぞりかへればあたまはどての向ふに行く・・・

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