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宮沢 賢治 作
読み手:村田 いずみ(2025年)
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グランド電柱
あめと雲とが地面に垂れ すすきの赤い穂も洗はれ 野原はすがすがしくなつたので 花巻グランド電柱の 百の碍子にあつまる雀 掠奪のために田にはひり うるうるうるうると飛び 雲と雨とのひかりのなかを すばやく花巻大三叉路の 百の碍子にもどる雀
(一九二二、九、七)