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宮沢 賢治

春と修羅 東岩手火山

読み手:水野 久美子(2025年)

春と修羅 東岩手火山

著者:宮沢 賢治 読み手:水野 久美子 時間:16分45秒

 東岩手火山

 月は水銀 後夜の喪主
 火山礫は夜の沈澱
 火口の巨きなゑぐりを見ては
 たれもみんな愕くはずだ
  (風としづけさ)
 いま漂着する薬師外輪山
 頂上の石標もある
  (月光は水銀 月光は水銀)
※(始め二重括弧、1-2-54)こんなことはじつにまれです
向ふの黒い山……つて それですか
それはここのつづきです
ここのつづきの外輪山です
あすこのてつぺんが絶頂です
向ふの?
向ふのは御室火口です・・・

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