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宮沢 賢治 作
読み手:齊藤 雅美(2025年)
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風林
(かしはのなかには鳥の巣がない あんまりがさがさ鳴るためだ) ここは艸があんまり粗く とほいそらから空気をすひ おもひきり倒れるにてきしない そこに水いろによこたはり 一列生徒らがやすんでゐる (かげはよると亜鉛とから合成される) それをうしろに わたくしはこの草にからだを投げる 月はいましだいに銀のアトムをうしなひ かしははせなかをくろくかがめる ・・・