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山川 方夫

お守り

読み手:小林 きく江(2025年)

お守り

著者:山川 方夫 読み手:小林 きく江 時間:33分36秒

 ――君、ダイナマイトは要らないかね?
 突然、友人の関口が僕にいった。四、五年ぶりでひょっこり銀座で逢い、小料理屋の二階に上りこんで飲んでいる途中だった。
 関口とは、高校までがいっしょだった。いま、彼は建築会社につとめている。だからダイナマイトを入手するのもさほど難しくはないだろうが、いかに昔から変わり者だった彼にしても、その発言はちょっと突飛だった。
 ――べつに。もらっても使いみちがないよ、ぼくには。
 と、僕はいった。
 ――いま、ここにもってるんだけどな。
 関口はいった・・・

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