グリム 作 矢崎 源九郎 訳 りこうもののエルゼ読み手:こがわ めいすい(2025年) |
あるところに、ひとりの男がおりました。男には、ひとりのむすめがありました。このむすめは〈りこうもののエルゼ〉という名まえでした。
さて、このむすめがすっかり大きくなりましたので、おとうさんはおかあさんにいいました。
「もうむすめをよめにやろうじゃないか。」
すると、おかあさんはこたえました。
「ええ、およめにもらいたいっていう人がきましたらね。」
やがて、遠くのほうから、ハンスという人がやってきて、エルゼをおよめさんにもらいたいといいました。ただ、このひとは、りこうもののエルゼがみんなのいうとおり、ほんとうにりこうならもらうけれど、ということでした・・・