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小泉 八雲 作 田部 隆次 訳

おしどり

読み手:田中 淑恵(2025年)

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おしどり

著者:小泉 八雲/田部 隆次 訳 読み手:田中 淑恵 時間:4分57秒

 陸奥の国、田村の郷の住人、村允と云う鷹使でありかつ猟師である男がいた。ある日猟に出たが鳥を得ないで空しく帰った。その途中赤沼と云う所でおしどりが一つがい泳いでいるのを見た。おしどりを殺すのは感心しないが、飢えていたので、村允はその一つがいを目がけて矢を放った。矢は雄鳥を貫いた。雌鳥は向うの岸の蘆の中に逃げて見えなくなった。村允は鳥の屍を家に持ち帰ってそれを料理した。
 その晩村允はものすごい夢を見た・・・

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