村山 籌子 作
読み手:篠原 みのり(2026年)
あるところに、大へんおとなしい一羽のあひるさんがありました。ちひさくてまだ手が頭にとゞきません。毎朝髪をゆつてもらはねばなりませんでした。
あひるさんには、おぢいさんだけしかないので、おぢいさんに髪をゆつてもらふのでしたが、おぢいさんは男で、おまけに大へんなとしよりでしたから、あひるさんの髪をあまりハイカラにはゆつてやれないのでした。
毎朝、あひるさんは鏡のまへで、横をむいたり前をむいたりして髪の形をながめましたが、いつでも油で髪がかたまつて、頭のてつぺんの所できつく結はへてあるので、・・・
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