新美 南吉 作
読み手:篠原 みのり(2026年)
かりうどが、ゆきの つもった やまへ、りょうに いきました。うさぎを 一ぴき みつけたので、きの あいだや こみちの うえを、おっかけまわって、やっとの ことで うちとめました。うさぎを ふくろに いれて、そこの きの したで ひとやすみ してから、うちの ほうへ かえりかけました。たにを ひとつ こして、こちらの やまへ きた とき、ぼうしが なくなって いる ことに きが つきました。さっき やすんだ ところに わすれたのかも しれないと おもって そっちを みると、その きの したに だれか いて こちらを みて います。
かりうどが、こちらから、
「おーい。」
と、いうと あちらからも、
「おーい。」
と、いいます。
かりうどは、そちらの ほうへ また もどって いきました・・・
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