中谷 宇吉郎 作
読み手:西村 文江(2026年)
日支事變後しばらくして、北支へ行ったことがある。その時たしか北京へ行く車中だったかと思うが、アメリカの大學の教授だという人に會った。
車中の退屈しのぎに雜談をしているうちに「日曜年(サベティック・イエァ)の旅行だ」という話が出た。聞いてみると、アメリカの大學では、六年間勤めると、七年目は、一年間の休暇が貰えるので、その時に旅行をしたり、何處かへ行って研究をしたりするのだという話であった。その間もちろん月給は貰える、すなわち日曜日に相當するものが、年にもあるわけで、いわば日曜年なのである。
われわれ大學に勤めている者から見たら、たいへんいい制度で、日本の大學も、こういう制度を眞似たらいいだろうなどと話し合ったことがある・・・
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