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新美 南吉

おじいさんのランプ

読み手:加茂野 一夫(2015年)

おじいさんのランプ

著者:新美 南吉 読み手:加茂野 一夫 時間:40分58秒

 かくれんぼで、倉の隅にもぐりこんだ東一君がランプを持って出て来た。
 それは珍らしい形のランプであった。八十糎ぐらいの太い竹の筒が台になっていて、その上にちょっぴり火のともる部分がくっついている、そしてほやは、細いガラスの筒であった。はじめて見るものにはランプとは思えないほどだった。
 そこでみんなは、昔の鉄砲とまちがえてしまった。
「何だア、鉄砲かア」と鬼の宗八君はいった。
 東一君のおじいさんも、しばらくそれが何だかわからなかった。眼鏡越しにじっと見ていてから、はじめてわかったのである・・・

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